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    2006

06.23

広島の昔話4

定期的に更新して行く昔話シリーズ。
今回は霊験新たかな、そしてちょっと不思議なお話です。

「粟島さん」

『粟島さん』

時は文政のころ、といいますから、江戸時代のお話です。
ある時村で疫病が大流行し、多くの人が病に苦しんだり亡くなったりしました。
村人達は大変困り、「なんとかせんにゃあ、いけんのう」と悩みました。
村の相談役の一人が、「そう言えば、備中の木野山に、粟島さんいう魔除けに霊験のある神社があるそうな。そこから分霊してもろうたらどうじゃろうか?」
と持ち出した所、「そうじゃねえ、もう神頼みしかあるまいて」ということになり、早速粟島神社の分霊をお招きすることになりました。
何度も木野山に通い、やっとの思いで分霊をお招きすることになったのですが、他の村人達の反応は今ひとつです。
「よそからきた神さんに、ご利益があるんじゃろうか?」
「ほんまに、信じられんのう」
相談役達は、そんな村人達の反応に困ってしまいました。

そんなある日、小さな子供を連れた一人の女性が、この神社を訪ねました。
すると、背中におぶっていた子供が突然ぐずり出しました。
「かあちゃん、こわいよう、こわいよう」
「どしたん、よしよし、何がそんなに怖いんかねえ」
「あの屋根の上に、大きな犬みたいなのが二匹、コッチを見取るんじゃ」
子供がそう言うので、母親は神社の屋根を見ましたが、何も見えませんでした。

この話は瞬く間に村中へと広まりました。
そして、「粟島さんには二匹のオオカミが祭られておる。純粋な子供にはそれが見えたんじゃろう」
「ほいじゃったら、この分社にも粟島さんのオオカミがおる、いうことじゃねえ」
「ほうじゃ。それならなんかご利益があるかもしれん」

こうして、村人達は熱心にこの神社をお参りするようになりました。
それからと言うもの、村には疫病がはやっても、この粟島さんにお参りすればなおる、と言われ大事に祭られたそうです。
この神社はのちに、立派なものに立て直され、たいそう賑わったと言うことです。
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広島の民話・昔話
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comments

でも、その狼の瞳は純粋な瞳だったんではないでしょうかねぇ。
純粋だからこそ見え、ソレを信じる心。やっぱり、昔話はよいですね。

くろねこ:2006/06/23(金) 07:42:09 | URL | [編集]

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